ここでいう 『ぬかす』 は、追い越すという意味の『抜かす』ではありません。
漢字で書くと『吐かす』になります。
字体の通り、キレイな言葉ではないですね。
・・・そんなわけで、京ことばにも卑語はあります。
ぬかす
【意味】言う(←卑語、スラング)
アクセントは以下の通りです。(H:高音 L:低音)
HHH
ぬかす
【例文】 ※アクセントは参考程度にされてください。
(例文も卑語になってしまい、すみません。)
LLH、LL HHHHLLL、LH!
おまえ、なに ぬかしとんねん、ボケ!
(おまえ、なに言ってるんだよ、バカ!)
【参考動画】関西弁の卑語(関西弁講座-大阪おっちゃんねる-)
この動画では 『おんどれ』 (おのれ、おまえ)という言葉の解説を目的としていますが、「ぬかす」という言葉も登場しており、実用例を聴くことが出来ます。
とはいえ、卑語なので使う機会はほとんどないと思います。
むしろ、あなたが誰かに「ぬかすな!」 とか「なにぬかしとんじゃ!」などと言われた場合、相手はかなり怒っている可能性が高いです。
その時は、あなたに何か落ち度が無かったかを冷静に考えた上で対応したほうがよいと思われます。
動画の中で、おっちゃんは「しばく」は関西弁なのかどうか疑問やと述べていますが、「しばく」は京ことばの一つです。ですから、これは関西弁になります。
「しばく」のアクセントはHHH、意味は「たたく」です。
「ぬかす」と「しばく」に見られるように、
関西弁の三文字動詞は、フラットな発音になる傾向があります。
【例】「はしる」「たべる」「おきる」「わらう」「おこる」・・・など
ほな、おおきに。
Kikujiro
追伸:「ぬかす」という卑語とは対照に、上品な言葉に『はんなり』があります。
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【参考文献】
「京ことばの辞典」大原穣子 研究社