日本語は難しい?

 「日本語は難しい」という意見は多い。そして、これを主張している人々が英語を母国語とする外人さんなのです!

 英語圏の人々にとって日本語の習得は困難であり、その逆も然り。日本人にとって英語の習得は困難と言われています。

 なぜか?・・・その大きな理由は、日本語と英語では主に構文が逆になることだと思われます。

 特に結論に関わる『述語』の位置が、英語では前側、日本語では後ろ側です。

 また、日本語ではたびたび主語が省略されるので、『誰が?』の部分が分かりにくいという側面もあります。

 ・・・おっと、こんなところに典型的な5パターンの構文が!道端に咲いている綺麗な花とはまた違ったものですが、是非ご覧ください。割かし分かり易いはず。


構文①

日本語    :(私は)知っています。【主語+述語】

英語        :I know. (私は知っています。)【主語+述語】

 ⇒このパターンは(日本語と英語で)構文が同じ。(しかし、日本語の日常会話では主語(私は)がたびたび省略される。)


構文②

日本語    :これはペンです。【主語+目的語+述語】

英語        :This is a pen. (これは~です。ペン。)【主語+述語+目的語  】

 ⇒このパターンでは(日本語と英語で)述語と目的語の位置が逆さま。英語では述語が前。日本語では述語が後。


構文③

日本語    :私は教師になりました。【主語+補語+述語】

英語        :I became a teacher. (私は~になりました。教師。)【主語+述語+補語】

 ⇒このパターンでは(日本語と英語で)述語と補語の位置が逆さま。英語では述語が前。日本語では述語が後。(補語=主語や目的語を説明する言葉。③では”教師”という補語が、主語の”私”を説明している。)


構文④

日本語    :あなたはいつも私を笑顔にさせる(あなたはいつも私を笑顔にしてくれる)。【主語+目的語+補語+述語】

英語        :You always make me smile.(あなたはいつも~させる。私を。笑顔に。)【主語+述語+目的語+補語】

 ⇒このパターンでは(日本語と英語で)述語の位置が逆さま。英語では述語が前。日本語では述語が後。(④では”笑顔”という補語が、目的語の”私”を説明している。)


構文⑤

日本語    :私はあなたに贈り物をあげました。【主語+目的語(人)+目的語(モノ)+述語】

英語        :I gave you a gift.(私はあげました。あなたに。贈り物を。)【主語+述語+目的語(人)+目的語(モノ)】

 ⇒このパターンでは述語の位置が逆さま。英語は前。日本語は後。

この通り、日本語と英語では構文が基本的に語順転換しています。 そこがお互いの言語を理解する上で難儀なところだと思われます。 しかし、朗報があります!言葉には『倒置法』という技法があります!(※倒置法とは、言葉を普通の順序と逆にすること)これは詩歌や曲の歌詞によく使われる技法です。

例えば、L’Arc~en~Cielの名曲 『flower』(作詞/作曲:hyde)のはじめのフレーズを参照すると、これは倒置法になっています。

→そう気付いていた 午後の光にまだ 僕は眠ってる
一方、語順を普通の順序にすると、例えばこんな感じです。
→僕は午後の光にまだ眠ってることに気づいていた
・・・結論の『気づいていた』が後になってしまい、主張が分かりにくくなりましたし、詩としても普通に事実を並べているだけで、なんだか味気ない感じになりましたね。それと同時に、詩を見事に倒置法で表現しているhydeさんのセンスの素晴らしさを実感します。

上述の①~⑤を倒置法で記述すると以下のようになります。

①    知っていますよ。私は。

②    ペンですね。これは。

③    教師になりました。私は。

④    いつも私を笑顔にしてくれますね。あなたは。

⑤    プレゼントをあげました。あなたに。(私は。)
倒置法によって主語が強調され、言い回しが若干キザな感じになりますけど(笑)これでもコミュニケーションは取れます。
一方、英語における倒置法(inversion)を例に挙げるなら、やはりスターウォーズ(STARWARS)のヨーダ(Master Yoda)の御言葉でしょうか。

(例)

STAR WARS エピソードⅠより】

倒置法 : Hard to see, the dark side is. 
(困難である。悟ることは。暗黒面が何かを。)

通常 : The dark side is hard to see.
(暗黒面は困難である。悟るのが。)

STAR WARS エピソードⅡより】

倒置法 : Much to learn you still have.
(多くの。学ぶべきことが。お前にはまだある。)

通常 : You still have much to learn.
(お前にはまだある。多くの。学ぶべきことが。)

STAR WARS エピソードⅢより】

倒置法 : Careful you must be when sensing the future, Anakin.
(注意を。お前はする必要がある。未来を感じ取るときは、アナキン。)

通常 : You must be careful when sensing the future, Anakin.
(お前は注意をする必要がある。未来を感じ取るときは、アナキン。)

 蛇足ですが、個人的には、実際にスターウォーズをオリジナル版(英語版)で視聴されることをお勧めします。特にエピソードⅠ~Ⅲにおけるヨーダの独特な言動や立ち振る舞いには深い趣きがあると思います。
 というわけで、英語にしても、日本語にしても『倒置法』という技法が存在します。ですから、多少は言いたいことの語順を間違えてしまっても、それは倒置法の表現にしてしまうことができます。または、もう一回訂正して、言い直してもいいわけです。

 要するに私が言いたいのは、少々の失敗は気にせずに積極的に話すべし!・・・ということです。 Practice makes perfect!

ほな、おおきに。

Kikujiro

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【参考文献】『本物の英語力』鳥飼玖美子 講談社現代新書


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