Beautiful Love

 これまでにジャズスタンダードの楽曲を5つ紹介しました。(『Take The “A” Train』 『The Days Of Wine And Roses』 『Autumn Leaves』 『All The Things You Are』 『Fly Me To The Moon』 )

 こちらの楽曲 『Beautiful Love』 は、それの6曲目になります。そして、これがひとつの節目です。というのは、以上の楽曲は私の著書 『洋楽の教養12』の中で解説していますので。

 今後もジャズスタンダードの楽曲を紹介することはありますが、これらの6曲は非常に有名な曲なので是非とも知っておいていただきたいと思います。

 さて、ここにひとつの格言があります。

 ”Love is blind”(恋は盲目)

 人は恋に落ちると、理性や常識を忘れてしまいます。相手の魅力的な良い面ばかりが見えて、悪い面はあまり気にならないものです。ともすると、そんな状態では普段では考えられないような、思い切った行動に出ることもあるので注意が必要です。

 ちなみに、この言葉の由来はシェイクスピアの喜劇 「ヴェニスの商人」の登場人物の台詞にあります。

 世の中には、シェイクスピアの作品から引用されている格言や名台詞が多々あります。例えば、”All that glitters is not gold. (光るものすべてが金ではない)、To be or not to be, that is the question.(生きるべきか死すべきか、それが問題だ)・・・とか。これらについては別の機会に詳しく解説いたします。

 それでは、一目惚れでテンションが上がっている人物の歌をご紹介します。
また、後半では楽曲の解説をしますので、興味がある方は最後までお付き合いください。

『Beautiful Love』

作詞:Haven Gillespie
作曲:Wayne King , Victor Young, Egbert Van Alstyne 

Beautiful love. You are a mystery.
(美しい人、君は謎めいた人。)   
Beautiful love. What have you done to me?
(美しい人、僕に一体何をしたの?)    
I was content until you came along.
(君と出会うまで不自由など何も無かったのに)                  
Thrilling my soul with your song.
(その歌で僕の心は揺さぶられる)
       
Beautiful love. I’ve roamed your paradise.
(美しい人、僕は(夢の中で)君がいる楽園を彷徨った。)   Searching for love, my dreams to realize.
(夢を実現するために君の愛を求めている。)           
Reaching for heaven depending on you.
(君に焦がれて高望みをしている。)                 
Beautiful love. Will my dreams come true?
(美しい人、僕の望みは叶うのだろうか?)

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 Beautiful Loveはジャズの楽曲です。ジャズは、19世紀の後半にアメリカ南部の黒人によって作られ、20世紀の初頭にニューオリンズ(アメリカ南部)の近辺で生まれた音楽です。しかしながら、”ジャズ”という言葉が人々に浸透するまでには多くの歳月を経て、記録上、”ジャズ”という言葉は、1913年のサンフランシスコの新聞記事が始まりと言われています。

 ジャズにはスタンダード・ナンバーと呼ばれるものがあります。それは50年以上前に作られながら、今でも人々に感動を与え続けている曲の数々です。対象となる分野は、ミュージカルの楽曲、ポピュラーソング、映画音楽など様々で、多くのミュージシャンによってカバーされています。Beautiful Loveは1931年に生まれた曲でスタンダード・ナンバーの一つに数えられています。この曲は記録上のジャズの始まりからすると、初期スタンダードナンバーと言えるでしょう。

 巷にはジャズスタンダード曲集なる、歌本が出回っております。それによると世の中でスタンダード・ナンバーと認知されている楽曲は200曲以上あることが分かります。たいてい、これらの楽曲に使われるコードの数は10個以上有るものですが、Beautiful Loveで使われているコードはたったの6個です。そのため、演奏者にとっては、頭の中がコードによってそれほど忙しくはならないので取っ付き易い曲ではないでしょうか。

 筆者の一押し歌手はソフィー・ミルマン(Sophie Milman)。アドリブの利いた歌唱がまさにジャズという感じです。インストルメンタル(演奏のみ)の曲でオススメするグループは、エディヒギンズ・トリオ(Eddie Higgins Trio)。曲中で微小な変動はありますが、彼らのこの曲のテンポは、おおむね230 BPM 以上の速度です。速度標語で最速を示すPrestissimo(プレスティッシモ)が約192~208 BPM(※)で『極めて速い』レベルなので、230 BPMは『超速い』レベルと言っても過言ではありません。そこにも恋のスリルが表れているのでしょうか。知りませんけど。
 
※.  BPM:Beat Per Minuteの略。1分間に4分音符を刻む個数を表します。230 BPM は 1分間に4分音符を230個刻みます。

 それでは最後に、先ほど挙げたエディヒギンズ・トリオ(Eddie Higgins Trio)による『Beautiful Love』をご紹介します。

ほな、おおきに。

Kikujiro

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