守りたいもの

 仮面ライダーシリーズで好きなものは色々あるが、筆者のお気に入りのひとつは「仮面ライダードライブ」である。

 そして、本編の素晴らしさも去ることながら、ここで私が紹介したいのは、そのスピンオフ作品「仮面ライダーチェイサー」である。

 タイトルが示す通り、主役は仮面ライダーチェイサー。その正体は人間ではなく、機械生命体であり、人間によって作られた存在。

 彼の中枢には人間が持つ感情や雑念が一切無く、完全な正義のプログラムが組み込まれている。そのため、制作者は「人間以上に正しい存在」と解釈する。

 しかし、彼はある事をきっかけに人間の感情に憧れを抱く。あるとき、突然現れた支援者の力によって、彼は人間の感情を手に入れ、初めて戦闘以外のことで人から感謝される喜びを覚える。支援者の真の意図など知る由もなく。

  

 

 人間には承認欲求がある。「自分のことを認めてほしい。褒められたい。必要とされたい。」誰もが無意識下でこのような欲求を持つという。

 彼が人間の感情へ憧れを抱いた始まりは、この欲求の発現に他ならない。マズローの欲求五段階説において、最上位に「自己実現欲求」があり、その下位に「承認欲求」がある。

 常に理性的に自分の役割を担うべく行動していた彼は「自己実現欲求」に近しいプログラムに従っていたように見える。しかし、人間に近づき過ぎたせいで、自分自身が人間に認められたいと渇望するようになったのか。

 彼の中枢には完全な正義のプログラムが組み込まれているはずなのに、そうなってしまったのはプログラムのバグなのか。

 後に支援者の策略に気づいた彼は、葛藤の中、自分自身の思いと仲間たちの思いを胸に真の敵へと立ち向かう。

 彼らは危険を厭わず、社会的な地位や名誉、賞賛を求めることもなく、苦しみと悲しみを共に背負いながら、個の幸せではなく、皆の幸せのために戦う。

 劇中でも語っているが、生きとし生けるもの全ての自由のために、正しく力を使って戦う者こそが真の仮面ライダーであろう。その信念には役割に対する忠誠、誠実さが見える。

 私たちは普通の人間であって仮面ライダーでは決してない。しかし、私たちもまた、それぞれ社会に対する役割をもって生きていることに違いはないはずである。 

『例え誰かの賞賛がなくても、あなたが守りたいものは何ですか?』

 

▼仮面ライダー チェイサー(Vシネマ)紹介動画▼

ほな、おおきに。

Kikujiro

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