言語学習で最も難しいのは文法なのか?

 先日、とある言語学習のSNSで、一人の外人さんが日本語でこのような内容を投稿していました。

『言語を勉強している人にとって最も難しいことが文法です。皆んなさんもそうと思いますか』

これについて、二人の日本人(Aさん、Bさん)がコメントしていました。

Aさん:全くその通りだよ!
Bさん:確かに!そしてあなたの日本語は完璧だ!

『・・・どこが完璧な日本語やねん!』…というツッコミはおいといて。

 
僕はご本人の日本語を訂正した上で、次のようなコメントを述べました。

『単語や慣用句を覚えるほうが難しいと思います。数が千個以上あるので。文法のパターンはせいぜい百個以下ですから。』

僕のコメントに対して、ご本人の反応はありませんでした。
この御方は自信満々に『文法が難しい』と主張されていたので、きっと皆からの同意を求めていたのでしょう。そんな中、僕はちょっとドライに反論してしまったので、しゃくに障ったのかもしれません。(何かすみません。)

実際のところ、数字で話をすれば日本語の習得にあたって苦労するのは上述の通り、単語や慣用句を覚えることであると感じます。

文法の基本的なパターンは五つです。百個どころか十個以下です。
※語順は英語です。

①主語+述語
②主語+述語+補語
③主語+述語+目的語(何を)
④主語+述語+目的語(誰に)+目的語(何を)
⑤主語+述語+目的語+補語

また、日本語の90%を理解するために必要な語彙の数は10,000語。それに対して、英語は3,000語、フランス語は2,000語足らずと言われています。

文法の5 と 語彙の10,000。語彙は文法の2,000倍です。この2つを比較したらどちらの習得が難しいでしょうか?

 勿論、文法1つと単語1つを比較すれば覚えるのに大変なのは文法かもしれません。ただ、そこで100歩譲ったとして、2,000を100で割っても20になり、文法の5と語彙の20で比べたらやはり語彙に軍配が上がるので、言語を理解する上で難儀するのは文法よりも語彙の習得のように見えます。

そもそも、この外人さんが言いたかったことが、言葉でしっかりと表現されていなかった可能性が高いです。というのは、この御方は日本語を学習中の身で、投稿された文章を見る限り、そこまで堪能ではないようですので。

例えば、こんなことを言いたかったのかもしれません。

『言語を勉強する人にとって、第一の難関は文法です。皆さんはどう思いますか?』 

・・・いや、例えこう言われたとしても、僕は次のように反論してますね。。

『第一の難関はその言語の文字ですね。日本語で言えば、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字です。っていうより、なんで日本語は文字の体系が4種類もあるんですか!?英語はアルファベットの1種類、フランス語はアルファべの1種類、中国語でも簡体字、繁体字の2種類なのに!日本語は文字の種類が多過ぎだと思いませんか!?』(ごめんなさい、後半は余談でした)

 ですから、『文法が難しい』ということを伝えたいのであれば、

『言語を学ぶ人にとって難しいのは文法に慣れることです!』 とシンプルに言うか、

『文字の次にぶつかる難関は文法です!』とか言わない限り、僕は同調しなかったと思います。

 いずれにせよ、『言語を習得する上で最も難しいのは文法』という意見は微妙です。この主張だけでは弱い・・・というか、そもそも例の外人さんは根拠を述べていません。論理的な説明には事実、根拠、主張の3つが必要です。

 ここで話題にしているのは、外国人の日本語学習者と日本語ネイティブの僕のやり取りです。ただ、日本語のネイティブであっても、言葉が拙かったり、足りなかったりするせいで、コミュニケーションのミスをすることはあります。

 というわけで、僕は相手によって適切な言葉で意思を伝えることが大切だと改めて感じました。

 コミュニケーションのミスを防ぐために有効なのが 『確認』と『質問』 の2つです。相手が何を言っているか分からなかったら、または相手の言い分を理解できているか自信が無かったら、『確認』と『質問』が欠かせません。それについて、相手の話に対して僕がよく言う台詞は以下の通りです。

①『今、なんて?』(←相手の声が聞こえなかったとき)
②『それは、~っていうこと?』(←自分の解釈の正否を確認する)
③『どういうこと?』(←相手の意味する内容が分からないとき)
④『ちょっと何言っているか分からない。』(←相手がもう何言ってるか全く意味不明なとき)

 ④はサンドウィッチマンさんのネタではありませんが、おそらく相手の気持ちを少々傷つけてしまうかもしれないので、あまり言わない方が無難かもしれません。ただ、そもそも相手がワケの分からんことを言っている時点で聞き手の気持ちを害しているということを鑑みると、④の反応を返してもイーブンな気がします。

いずれにしても、この記事で伝えたかったことは、次の3つです。

1.言語学習で最も難しいのが文法というのは気のせいかも。
2.相手によって適切な言葉で意思を伝えるのが大事。
3.コミュニケーションのミスを防ぐためには『確認』と『質問』が有効。

そして、冒頭の外人さんの意見『言語を勉強している人にとって最も難しいことが文法です。』は、本人が思っていることとしては、否定のしようがない正しい意見です。

 ただ、純粋に他人の意見を求めるなら良いですが、自分の価値観を押し付け、他人に同調を求めるのは良くないと思います。とりわけ、日本では思想および良心の自由が日本国憲法(第十九条)によって保障されていますので。

ほな、おおきに。

Kikujiro

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