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『なおす』

【伏見稲荷大社 千本鳥居(京都市伏見区)】

※千本鳥居は右側通行です。ご注意ください。

 「なおす」は、関西弁で「片付ける」という意味で間違いありませんが、 「元々保管場所が決まっているものを元の場所にしまう」というイメージです。

 関東では片付けることを「かたす」と表現します。

 そして、関東弁「かたす」のほうが、関西弁「なおす」よりも、 厳密には広い意味で使えるはずです。

 というのは、例えば、部屋の掃除をしたときにゴミが出てきたら、

 「このゴミ、かたしておこう。」と表現できますが、
 「このゴミ、なおしとこう。」は少々違和感があります。

  これは、「なおす」は定位置が決まっているものを元の場所に戻すイメージがあるためです。

 ちなみに、「修理する」という意味の「なおす(直す)」は標準語であり、関東でも関西でもフツーに使われます。

 そのため、関西地域で「それ、なおしといてや」と言う場合、ときにややこしい状況が想定されます。

 例えば、部屋に壊れたおもちゃが置いてある状況で、
 「それ、なおしといて」と言われたら、それは「修理する」の意味なのか、「元の場所に戻す」の意味なのか、話し手によく確認したほうが良いでしょう。

 というより、ややこしいことをぬかす前に、最初から「それ、修理しといて」とか「それ、片付けといて」と言ったほうが誤解は少ないでしょうけど。
 ※『ぬかす』は卑語なので使うときはご注意ください。

 関西弁「なおす」の意味、アクセント、例文を以下に記載します。

 

なおす

【意味】片付ける、しまう(元の場所に)

 

アクセントは以下の通りです。(H:高音 L:低音)

HHH
なおす

【例文】 ※アクセントは参考程度にしてください。

LHL HHLL HHHHHHH
おもちゃ きちんとなおしといてな。
(おもちゃ、ちゃんと片付けておいてね。)

HH HHLL、LLLL HHHHHHL
この セーター、タンスに なおしといてや。
(これ、タンスにしまっておいてね。)

 「なおす」について、より詳細を知りたい御方は大阪のおっちゃんによる解説動画をご覧ください。-【関西弁講座】 大阪おっちゃんねる-

ほな、おおきに。

Kikujiro

関連記事:『ぬかす』を見る

【参考文献】
 「京ことばの辞典」大原穣子 研究社

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