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Fly Me To The Moon

 ジャズスタンダードの4曲目をご紹介します。

 この曲は銀河系を股に掛けた壮大な告白の歌です。

 冒頭の歌詞だけを見ると何を言っているのかさっぱり分かりませんが、読んでいくと段々理解できるようになります。

 なぜか読んでいるこちらが恥ずかしくなってくる内容です(私だけでしょうか)。

 英語の歌詞と和訳を以下にご紹介します。

『Fly Me To The Moon』

作詞: Bart Howard
作曲: Bart Howard

Fly me to the moon.
(月へ連れて行って)               
And let me play among the stars.
(そして、惑星の間で戯れさせて)
Let me see what spring is like on Jupiter and Mars.
(木星と火星での青春はどんなものか分からせて)
In other words, hold my hand.
(言い換えれば、抱きしめてほしい)
In other words… Darling, kiss me.
(言い改めれば、口付けしてほしい)

Fill my heart with song.
(僕の心を満たしてほしい。君の歌で。)          
And let me sing forevermore. 
(そして、永遠よりも長く僕に唄わせてほしい)
You are all I long for , all I worship and adore.
(君こそが、僕が待ち焦がれ、心酔し、敬愛する人)
In other words, please be true.
(要するに、どうか本当の気持ちを伝えてほしい)
In other words… I love you.
(つまりは、君を愛しているということ)

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  Fly Me To The Moon  は「ボサ・ノヴァ」の曲として有名です。

 ボサ・ノヴァの音楽的な特徴を3つ挙げると以下の通りです。

(1)リズムは付点四分音符と八分音符の組み合わせ
(2)パーカッション(打楽器)は8ビート(八分音符で繰り返すリズム)
(3)ギターは和音をリズムに合わせて鳴らす

 Fly Me To The Moon は1954年にワルツ調の曲として作曲され、その後、スウィングやアレンジなどのアレンジで歌われました。1962年にピアニストのジョー・ハーネルが、当時流行しはじめていたボサ・ノヴァに編曲して大ヒットしました。

 この曲以外でジャズのスタンダード・ナンバーに数えられる有名なボサ・ノヴァを例に挙げると、「イパネマの娘」(The Girl From Ipanema)、「ナイト・アンド・デイ」(Night and Day)、「いそしぎ」(The Shadow Of Your Smile)などがあります。

 また、スタンダード・ナンバー200曲を独自に調べたところ、楽曲をリズムのカテゴリーで分けると次の割合になりました。

 ・4ビート:65%
 ・ボサ・ノヴァ:15%
 ・ワルツ:10%
 ・その他:10%
  ※その他にはサンバ、ルンバ、マンボなど、ラテン系の音楽を含む。

 というわけで、スタンダード・ナンバーの大半は4ビートになり、それを除けば次に多いのがボサ・ノヴァのようです。元来4ビートの楽曲をボサ・ノヴァにアレンジするなんてこともありますが、ランダムにジャズ・スタンダードを聴いていると、ボサ・ノヴァに当たることはありそうです。そのときは音楽的な特徴を意識しながら聴いてみてください。ちなみに、4ビートは四分の四拍子、ワルツは四分の三拍子です。

 筆者の一押しはオリビア・オン(Olivia Ong)。癒し系のボサ・ノヴァです。
 彼女が歌うFly Me To The Moon はバックミュージックが静かで、透き通るような歌声が際立ち、マイナスイオンを多分に感じます。(個人的にはリラックスしたいときや入眠の曲にしています)

 

▼オリビア・オンの歌唱▼

 

 ちなみに、「Fly Me To The Moon」の詳しい解説は、私の著書「洋楽の教養12 」でも紹介しています。

 ほな、また。

 Kikujiro

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