Honesty

 この歌の主人公は、頼れる唯一の人に誠実さを求めています。

「世の中は不誠実な人たちばかりだけど、君だけはどうか嘘をつかないでほしい。誠実であってほしい。」と主張しています。・・・「そもそもあなた自身は他人に対して誠実なのか?」とツッコみたくもなりますが、それはさておき。

 私たちは、家族、友人、恋人などをはじめ、仕事の仲間や取引先、世間の人々に対して、皆に誠実であってほしいと無意識に願っています。というよりそれが当然だと考えています。また、「約束を守る、嘘をつかない」といった誠実さは、相手との信頼関係を築く上で非常に大切なことのひとつです。

 とはいえ、人間関係のおいては往々にして本音と建前が生じるもので、常に噓偽りなく、何かをオブラートに包むことなく相手と接するというのもまた難点が何点もあったりします。

ここでひとつ、ことわざをご紹介します。

“Good friends are hard to find” (良い友達は見つけるのが難しい)

 良い友達とは具体的にどんな人か。一つ挙げるとすれば「互いに本音を語り合える相手」ではないでしょうか。例えば自分が、他の誰にも言えないような悩みを相談できたり、 人生の夢や目標を話すことができる相手です。それに対して相手は、真摯に聞いて反応してくれる。一言でいうと「親友」です。こういったことは並大抵の知人や友人には決してできないはずです。そうやって心底、本音で語り合える仲まで至るには、図らずも長い月日をかけて育んできた信頼があるはずであり、それは言わば誠実さの賜物です。

 というわけで、ここでは誠実さをテーマにした有名な楽曲をご紹介します。英語詞には和訳を併記し、後半では楽曲の解説をしておりますので、興味のある方はどうぞ最後までご覧ください。

『Honesty 』

作詞作曲:Billy Joel
歌   :Billy Joel

If you search for tenderness,it isn’t hard to find.
(優しさを求めるなら、見つけるのは容易い。)
You can have the love you need to live.
(生きるのに必要な思いやりは受けられるだろう。)
But if you look for truthfulness , you might just as well be blind.
(だけど、誠実さを求めるなら、盲目になったほうが却ってマシかも。)
It always seems to be so hard to give.
(それを示すのはいつだって難しいから。)

Honesty is such a lonely word.
(”誠実さ”とは実に寂しい言葉だ。)
Everyone is so untrue.
(皆が不誠実だから。)
Honesty is hardly ever heard and mostly what I need from you.
(”誠実さ”とは、これまでにほとんど聞くことはなかったが、君にこそ求められているものだ。)

I can always find someone
(いつだって誰かを見つけることはできる)
to say (that) they sympathize
(同情してくれる人はね)
if I wear my heart out on my sleeve.
(僕が正直に話していれば)
But I don’t want some pretty face to tell me pretty lies.
(だけど、可愛い顔で可愛い嘘をつく人はお断りさ。)
All I want is someone to believe
(僕が求めているのは信じられる人だから。)

Honesty is such a lonely word.
Everyone is so untrue.
Honesty is hardly ever heard and mostly what I need from you.

I can find a lover , I can find a friend
I can have security until the bitter end
(安心を手に入れることもできる。皮肉な終末までは。)
Anyone can comfort me with promises again.      I know    I know
(誰でも僕を慰めることはできる。また約束をすればね。)

When I’m deep inside of me,
(僕が自分の殻にこもっていたら)
don’t be too concerned.
(そっとしておいてほしい)
I won’t ask for nothing while I’m gone.
(そういうときは何も求めていないんだ)
But when I want sincerity, tell me where else can I turn
(だけど、僕が誠実さを求めるときは、他にどこか振り向ける場所を教えてほしい)
Because you’re the one I depend upon
(なぜなら、君は僕が唯一頼れる人だから)

Honesty is such a lonely word.
Everyone is so untrue.
Honesty is hardly ever heard and mostly what I need from you.

//

 この曲の作詞・作曲はアメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエル(Billy Joel)が手掛けており、歌い手も同様にビリー・ジョエルです。この曲は当初、彼が1978年に発表したアルバム「52nd Street」に収録され、翌年(1979年)に「Honesty」のシングル版がリリースされました。日本ではこれまで様々なミュージシャンによってカバーされてきた曲です。

 曲調はイ長調(A major)です。端的に言うと、長調は「明るい響き」です。ただ、最初から最後までそうとは限りません。というのは、この曲はサビのコードが “DM7″(Dメジャーセズンス)という、「不協和音」から始まり、サビはちょっと中性的で不安定な響きになるからです。


 和音には「協和音」と「不協和音」の二つがあります。「協和音」とは調和した安定的な和音のことです。「不協和音」とは調和しない不安定な和音のことです。定義上、四和音は全て不協和音になります。そして、DM7は四和音になるので不協和音となり、上述の通り、不安定な響きとなります。


 しかし、全体的に見ると、この曲のコードは “A” に始まり、”A” に終わります。”A” (Aメジャー)とはラ・ド#・ミの三和音であり、協和音となります。

 ですから、DM7から始まるサビには複雑な響きを感じるものの、曲全体で見ると、始まりと終わりは明るい響きになります。

 きっとビリー・ジョエルさんが 、歌詞における you が誠実な態度を他人に見せることを願って、最後のコードを明るい響きの “A” にしたものでしょうね!知りませんけど!「終わりよければ全て良し」とでも言いましょうか。

 それでは、最後にご本人の歌唱をご紹介します。

ほな、またね!

Kikujiro

//

次のページ Night and Day

前のページ Beautiful Love

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *