
【五重塔(京都市東山区 清水寺周辺)】
これは全国的に有名な関西弁であり、関西の中でもよく使われている言葉です。
「あかん」という単語は「ダメ」という意味で一般的に広く知られています。ただ、個人差はありますが、「あかん」のほうが「ダメ」よりも柔らかく聞こえる傾向にあります。
また、「あかん」は他の言葉との組み合わせによっては「~しなければならない」のように「義務」を表す意味として使われます。
あかん
【意味】だめだ、いけない。~しなければならない。
あきません
【意味】「あかん」の丁寧語。
※シニア世代では「あきまへん」とも言う。
アクセントは以下の通りです。(H:高音 L:低音)
※始めから同じ高さの音が続くのは関西アクセントの特徴です。
HHH
あかん
HHHHH
あきません
【例文】
・そんなん言うたらあかんがな。
(そんなことを言ったらダメだよ。)
→丁寧語:そないなこと言わはったらあきません。
・そら、やらなあかんわ。
(それは、やらなければならないよ)
→丁寧語:そら、やらなあきませんわ。
【由来】
「あかん」という言葉の由来は、京都の行事「競べ馬」にあります。
これは上賀茂神社の境内の一画に200メートル程の馬場の周囲に柵(←これを「埒」と言う)を設け、舞衣装を着用した騎手が2頭1組で競争する行事です。
この「競べ馬」の本番前に馬を埒の中に入れ、馬場に慣れさせるのに時間が掛かることから、待たされる観客のイライラした気分を「埒があかない」と表現するようになったと言われています。
※埒があかない・・・物事の決まりがつかない。事がはかどらない。ずっともたもたしているという意味の慣用句。ちなみに「埒も無い」は、筋道や理由が無く、とりとめがない。たわいもないという意味の慣用句。
※「競べ馬」は「葵祭」に先立って、毎年5月5日に行われます。
(葵祭は毎年5月15日に実施される、京都三大祭りのひとつです。)
▼葵祭:Wikipedia▼
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%B5%E7%A5%AD
最後に、大阪のおっちゃんによる関西弁「あかん」の解説動画をご紹介します。【「大阪おっちゃんねる」より】
ほな、おおきに。
Kikujiro
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【本記事の参考文献】
「もっと!もっと!京ことば」 <春>
「京ことばの辞典」大原穣子 研究社
「新版 京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」 淡交社