Night and Day

 ジャズ・スタンダードナンバーの7曲目をご紹介します。

 「Night and Day」は、1932年から上演されたミュージカル 「陽気な離婚」 の中でフレッド・アステアが歌って大ヒットしました。
 1946年にはコール・ポーター(Cole Porter)の生涯を描いた映画 「ナイト・アンド・デイ」が作られ、その主題歌になりました。

 ここで紹介している歌詞は、コニー・エヴィンソン(Connie Evingson)の歌唱です。

 オリジナルの歌詞と比べてみると、微妙に違っています!

【例】 longing ⇒ feeling、 torment ⇒ torture

 この曲はスタンダードナンバーなので、多くの音楽家の方々がカバーしています。例えば、エラ・フィッツガルド(Ella Fitzgerald)、ダイアナ・クラール(Diana Krall)、 ヘレン・メリル(Helen Merrill)とか。YouTubeで調べるといくらでも出てきます。

 そんな中、誰もが歌詞についてはオリジナルに沿って歌っているわけですが、コニー・エヴィンソンの場合は違います。(こんなマニアックなことを紹介しているサイトも他にないと思いますが)

 そして、違うのは歌詞だけではなく、音楽スタイルも一般的なサウンドとは違います。それは後半でご説明しましょう。

まずは歌詞をご覧ください。

※歌詞のヴァース(冒頭の導入部)は省略しております。

『Night and Day』

作曲:Cole Porter

Night and day, you are the one
(夜も昼も、君のことで頭がいっぱい)

Only you beneath the moon and under the sun
(君のことだけ。月の下でも太陽の下でも)

Whether near to me or far, it’s no matter darling where you are
(近くても遠くても関係ない。君がどこに居ようと)

I think of you
(ボクは君のことを想う)

Night and day
(夜も昼も)

 

Day and night, why is it so
(昼も夜も、どうしてだろう?)

That this feeling for you follows wherever I go
(どこへ行ってもこの気持ちがついてくる)

In the roaring traffic’s boom, in the silence of my lonely room,
(喧騒の中に居ても、一人静かな部屋の中に居ても)

I think of you
(ボクは君のことを想う)

Night and day
(夜も昼も)

 

Night and day, under the hide of me
(夜も昼も、ボクの隠れた場所で)

There’s an oh such a hungry yearning burning inside of me
(こんなにも君への切なる思いが燃え上がっている)

And its torture won’t be through
(そしてこの苦悩は終わらないだろう)

Till you let me spend my life making love to you
(君と共に愛し合えるようになるまでは)

Day and night
(昼も夜も)

Night and day
(夜も昼も)

//

・・・というわけで、かなり重度の恋愛症候群に陥っている人の歌です。

ちなみに、コニー・エヴィンソンさんの楽曲のテンポは約 184 BPM(Beat Per Minutes)です。

速度標語では、 ”Presto(プレスト)”(急いだスピードで)に分類されます。けっこう速いです。

 

前半でお伝えした通り、音楽スタイルについてお話します。

彼女のNight and Day は 「ジプシー・ジャズ」です。

 これはジプシー音楽とジャズが融合したもので、ジプシー音楽の特徴である、高速テンポ、小刻みなメロディ、細かいリズムがジャズの4ビートと渾然一体となった音楽です。

 楽器の最小編成はリードギター、リズムギター、ベースの3人で、そこにバイオリンやクラリネットなどの管弦楽器やアコーディオンが加わることもあります。

 また、ジプシー・ジャズのテクニカル且つハーモニックなギターサウンドにも注目です。

▼コニー・エヴィンソン(Connie Evingson)の歌唱▼

 この曲(Night and Day)は、「GYPSY IN MY SOUL」というアルバムに収録されています。

 収録曲は全15曲。Night and Day は11曲目です。 他にもスタンダード・ナンバーは収録されています。

 「Lover Come Back to Me」「April in Paris」「Caravan」「You and the Night and the Music」「S’Wonderful」以上 5曲です。(Night and Dayを含めると6曲)

 そして、アルバムのタイトルが示唆する通り、全楽曲の音楽スタイルがジプシー音楽です。

 アルバムの1曲目 「Nature Boy」 から独特な演奏スタイルとノリに包まれて不思議な感覚を覚えます。(この手の音楽ジャンルに聞き慣れていなければ)

 次に 2曲目 「I’m Confessin’」 になると、またしても変則的なノリに非日常的な印象を受けます。

 そして 3曲目 「Gypsy In My Soul」 の冒頭を聴くと「・・・おっ、ジャズではないのかな?」と思ったら、それは実はヴァース(verse:導入部)で、やはり独特なノリのジプシー音楽が始まります。

 そもそも日本の環境で育っていると、ジプシー音楽に馴染みの無い方がけっこう多いはずですので、興味があって聴いてみたいという方には是非オススメします。上述の通り、楽曲は全体的にアコースティックな響きです。

詳細は以下の画像を好きなだけクリックしてください。

ほな、おおきに。

Kikujiro

【参考文献】
『音検 受検の手引き 3級(洋楽系・邦楽系)』 財団法人 音楽文化創造

【参考URL】
https://www.sii.co.jp/music/try/metronome/01.html


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