Take The “A” Train

 またまた、ジャズのスタンダード・ナンバーの中から選りすぐりの一曲をご紹介しましょう。その前に、『・・・ジャズのスタンダード・ナンバーって何なん?』と思われた方のために簡単に説明します。

 ジャズにはスタンダード・ナンバーと呼ばれるものがあります。それは半世紀以上前に作られながら、今でも人々に感動を与え続けている曲の数々です。対象となる分野は、ミュージカルの楽曲、ポピュラーソング、映画音楽など様々で、多くのミュージシャンによってカバーされている楽曲です。

 ちなみに、ここまでご紹介してきた『The Days Of Wine And Roses』『Autumn Leaves』『All The Things You Are』『Fly Me To The Moon』は、それぞれスタンダード・ナンバーに数えられている楽曲です。

 というわけで、今回はスタンダードナンバーの5曲目をご紹介するわけですね。この曲は非常にノリの良い曲です。気分を上げたいとき、気分上々で行きたいときに是非聴いてみてください。

 例によって、英語詞の和訳を以下に記載して、その後で楽曲の解説をしております。興味のある方は最後までお付き合いくださいますよう、宜しゅうお頼み申します。

『Take The “A” Train』

作詞: Billy Strayhorn 
作曲: Billy Strayhorn

You must take the “A” train to go to Sugar hill way up in Harlem.
(A列車に乗るんだよ。ハーレムの小高いシュガーヒルに行くために。)
If you miss the “A” train,  you’ll find you’ve missed the quickest way to Harlem.
(A列車に乗り損ねたら、ハーレムへの一番の近道を逃すことになる。)
Hurry, get on board, its coming.
(急いで, 乗ろう!もう来てるよ!)
Listen to those rails a-thrumming. All aboard.
(コツコツと鳴るレールの音を聴いて。出発進行!)
Get on that “A” train.
(A列車に乗ろう。)
Soon you will be on Sugar Hill in Harlem.
(すぐにハーレムのシュガーに着くよ!)

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 この曲は、シュガーヒルにいち早く到着するためにA列車に乗ろうという歌です。

 シュガーヒルとは、アメリカのニューヨーク州はニューヨーク市、マンハッタン区ハーレムの北部にある地区であり、高級住宅街です。ハーレムには古くからスタイリッシュなジャズクラブやバーがあり、夜の街を演出していると言われています。
 A列車とは、ニューヨーク市地下鉄の急行線の系統を指します。この地下鉄の運行系統には急行線、緩行線、シャトル線があります。シュガーヒルの最寄り駅はマンハッタン区の145丁目駅であり、そこに停車する急行線の系統はA、B、C、Dの4つです。

 Take The “A” Train は、 1939年に ビリー・ストレイホーン(Billy Strayhorn)が作曲し、1941年にデューク・エリントン楽団がレコーディングしました。それ以来、楽団のオープニング・テーマ曲となって有名になりました。
 この曲にはジャズの特徴であるコード進行 ”Ⅱ-Ⅴ”(ツーファイブ)がよく表れています。これは何かというと、ハ長調(C major)で言えば、使っている音のドレミファソラシ、それぞれに和音があり、ド=Ⅰ、レ=Ⅱ、ミ=Ⅲ、ファ=Ⅳ、ソ=Ⅴ、ラ=Ⅵ、シ=Ⅶ と番号で表されます。コード進行は和音の流れを示すものですから、”Ⅱ-Ⅴ”とは、”レの和音⇒ソの和音” を表わします。そして、Ⅴ(ソの和音)の後はたいがいⅠ(ドの和音)に進みます。
 この曲の特徴をもう一つ挙げると、スキャット(Scat)があります。スキャットとは、ボーカルが「ディバダバ」「ドゥビドゥバ」「パヤパヤ」といった発声で、声を楽器のようにして即興で歌うことです。Take The “A” Trainを歌う方は、間奏のところでスキャットをする傾向が見られます。
 曲の終わり方にもまたジャズの趣きがあります。最後の「ミ~~、ファ、ファ♯、ソラシド」というフレーズは、この曲のみならず他のジャズソングでも同様に使われる定番です。この点にも注目して聴いてみてください。 

 Kikujiroの一押しはニッキ・ヤノフスキ―(Nikki Yanofsky)です。力強く太い歌声が印象的です。
 というわけで、ご本人の動画をご紹介します▼▼▼

ちなみに、「Take The “A” Train」の詳しい解説は、菊地次郎の著書にも書かれています。

▼興味のある御方はご覧くださいませ▼ 宜しゅうお頼み申しますm(_ _)m

洋楽の教養12 -The Study of Foreign Music-

ほな、またね。

Kikujiro

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